このページの要点
- 事業譲渡は会社法21条・商法16条の既定があり、契約で変更できる
- 株式譲渡には法定の競業禁止がなく、契約で書き、個人も当事者に加える
- 期間・地域・業務範囲を譲渡した事業に見合う範囲に絞る(過大な定めは民法90条の問題になる)
- 引抜きの禁止、営業秘密、引継ぎ協力の期間・内容・完了の基準、違反の効果まで書く
結論:事業を譲ったあとの競業は、法律の既定をまず知り、契約で期間・地域・範囲の三点を書き直す
事業を譲った人が、すぐ近くで同じ商売を始めたら、買った人は何のために代金を払ったのかわからなくなります。お客様も、従業員も、取引先も、売った人についていくかもしれないからです。逆に、売った人にとっては、その事業しか経験がないのに、一切の同種の仕事を禁じられては、生活や次の仕事に支障が出ます。この双方の事情を調整するのが、競業避止(同じ事業を競って行わないこと)の条項です。
競業避止の出発点は、契約書に何も書かなかった場合でも、法律の既定が働くことです。会社が事業を譲渡した場合は会社法21条、個人の商人が営業を譲渡した場合は商法16条が、一定の競業を禁じています。この既定は、当事者の別段の意思表示があれば変えられますので、契約書で、既定より狭くする(または外す)のか、広げるのかを決めることになります。一方、株式譲渡には、このような法律の既定がありません。売主は株式を手放しただけで、事業そのものは会社に残ります。売主が別の会社で同種の事業を始めることを防ぐには、契約で決めておく必要があります。
このページでは、まず法律の既定の内容を確認し、契約で決めるべき三点(期間・地域・業務の範囲)、顧客や従業員の引抜き、営業秘密、引継ぎ協力、違反したときの効果を順に整理します。事業譲渡と株式譲渡の違いの全体像は事業譲渡と株式譲渡の違いで、会社法の事業譲渡の手続は会社法の事業譲渡の手続で扱っています。
競業避止で立場が分かれるところ
買主の立場(譲り受ける側)
- 期間は長く、地域は広く、範囲は広めに書きたい
- 顧客・従業員・取引先の引抜きも禁じたい
- 売主の代表者や関係者にも同じ義務を負わせたい
- 違反したときは差止めと違約金を求めたい
売主の立場(譲る側)
- 期間は短く、地域は限定し、範囲は譲る事業に絞りたい
- 別の事業や、関係のない仕事は自由にしたい
- 個人の生活や、これからの職業選択の自由を確保したい
- 違反の認定が曖昧にならないよう、基準を明確にしたい
双方の立場には、もっともな理由があります。契約では、買主が守りたい「譲り受けた事業の価値」に必要な範囲に絞ることが、有効性の面でも、実行の面でも、安全な整え方です。
法律の既定:会社法21条と商法16条
事業を譲渡した会社には会社法21条が、個人の商人には商法16条が働きます。条文の読み方は会社法の事業譲渡の手続のページで順に確認していますので、ここでは、契約書の側から見て押さえておく点を、下の表に絞って示します。
競業の禁止に関する条文
会社法21条1項
事業を譲渡した会社は、別段の意思表示がない限り、同一の市町村の区域内およびこれに隣接する市町村の区域内で、譲渡の日から20年間、同一の事業を行ってはならない。
契約書では何も書かなければ、この範囲の競業の禁止が働く。範囲を変えるなら、契約に明記する
会社法21条2項
譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をした場合、その特約は譲渡の日から30年の期間内に限り効力を有する。
契約書では契約で期間を定めるとき、30年が上限の目安になる
会社法21条3項
1項・2項にかかわらず、譲渡会社は不正の競争の目的をもって同一の事業を行ってはならない。
契約書では契約で競業を認めた場合でも、不正の目的による競業は別に禁じられる
商法16条
営業を譲渡した商人(個人の商人)について、会社法21条と同じ内容(同一の市町村と隣接市町村・20年・特約は30年・不正の競争の目的の禁止)を定める。
契約書では個人事業の譲渡では、こちらが働く。個人事業の書き方は個人事業・店舗の譲渡契約書を参照
条文は e-Gov法令検索で確認しています。
既定の読み方を整理すると、次の三点が重要です。第一に、禁止されるのは「同一の事業」です。事業の範囲をどう読むかは、契約の対象から判断することになります。第二に、地域は「同一の市町村とこれに隣接する市町村」です。インターネットを通じた事業のように、営業の地域が市町村の単位で区切れない事業では、この区切りが実態に合わないことがあります。第三に、期間は20年です。これは相当に長い期間であり、当事者が別段の意思表示をして、期間を短くしている契約が一般的です。
契約書の側では、次の二つの書き方がよく見られます。一つは、法律の既定を排除したうえで、独自の条件を定める書き方(「会社法第21条の規定にかかわらず、売主は、次の期間、次の地域で、次の事業を行わない」)です。もう一つは、既定をそのまま使い、特に書かない書き方です。後者では、当事者が既定の内容を知らないまま署名してしまうことがあるため、書いたうえで、既定を適用するのか、変更するのかを明らかにしておくのが安全です。
書き方の例(一般的な例) 競業禁止の定め方
既定にまかせる
理由既定の範囲と契約の期待がずれていないかを確かめ、ずれるなら書く。書かなければ、売主は既定が働くことを知らないまま事業を始めて争いになる。
免除したいとき
理由同種の事業を一切認めると、買った事業の顧客が移ってしまう。営むことを認める範囲と、禁止する行為(顧客の勧誘など)を分けて書く。
期間
理由特約の効力は30年の期間内に限られる(会社法21条2項)。過大な期間は、書いた意味を失うばかりか、他の条項の信頼性も下げる。
株式譲渡と個人の関与:契約で書かなければ競業は止められない
株式譲渡では、会社が事業の主体であり続けます。売主は株主としての地位を手放すだけで、会社が譲渡したわけではありません。会社法21条は、事業を譲渡した「会社」に適用される規定ですから、株式の譲渡には当てはまりません。売主が、会社を離れたあとに、別の会社を作って、同種の事業を始めても、法律の既定ではそれを止められないのです。
さらに、法人の売主が株式を譲る場合、競業を禁じる義務を負うのは契約の当事者である法人です。実際に事業を営んできた個人(代表者など)が、法人とは別に同種の事業を始めたとき、法人の義務を個人に及ぼせるかどうかは、契約に個人が加わっているかどうかによります。そこで、実務では、次のような工夫をします。
- 個人を契約の当事者に加える:売主の代表者、事業を実際に営んできた個人を、競業避止の条項に限って契約の当事者(または連帯して責任を負う者)として署名してもらいます。
- 関係者・関係会社を含める:売主本人だけでなく、売主が支配する会社、親族が営む会社を通じた競業も対象に含めます。
- 代理や名義貸しを禁じる:自分の名前を出さず、他人を使って同種の事業をさせる場合も禁じる旨を書きます。
- 会社の側にも義務を課す:株式譲渡の対象会社が、元の代表者の関係先と、競争的な取引をしないことを書く場合もあります。
個人を当事者に加える場合、その個人にとっては、自分の職業選択の自由に直結する約束になります。署名する側は内容を十分に理解したうえで署名する必要があり、書く側は過大な内容にしないことが、有効性の面でも重要です。
期間・地域・業務範囲の三点:過大な定めの扱い
競業避止の条項は、売主の職業選択の自由を制約します。そのため、制約が過大であれば、公序良俗に反するとして、一部または全部の効力が認められない場合があります(民法90条)。有効かどうかは、個別の事情を総合して判断されますが、契約を書く段階で意識しておく考え方は、次のとおりです。
競業避止の三点と考え方
| 要素 | 決めること | 書き方の考え方 | 過大になりやすい例 |
|---|---|---|---|
| 期間 | いつからいつまで禁じるのか | 譲渡の日(またはクロージング日)から○年。事業の性質(顧客との関係が続く期間、再び営業基盤を作れるまでの期間)に見合う長さにする | 事業と関係なく、非常に長い期間を一律に定める |
| 地域 | どの範囲で禁じるのか | 譲渡した事業の営業エリア(店舗の商圏、サービスの提供地域)に絞る。インターネットを通じた事業では、地域でなく「対象の顧客」で区切る方法もある | 営業していない広い範囲まで及ぶ。実際の商圏を大きく超えて指定する |
| 業務範囲 | 何の事業を禁じるのか | 譲渡した事業と同一または類似の事業に限る。類似の範囲は具体的に書く | 「あらゆる事業」や、譲渡の対象と関係のない仕事まで含む |
| 対象者 | 誰が義務を負うのか | 売主、売主の代表者、売主が支配する会社など、事業の価値を損なうおそれのある者に絞る | 売主と無関係の親族や従業員まで含む |
| 代償 | 制約に見合う対価があるか | 譲渡代金の中に競業避止の対価が含まれていること、または、別枠の対価を支払うことを明示する | 対価の算定に含まれていないのに、広い制約だけが課される |
地域の書き方には、いくつかの型があります。市町村や都道府県の名前で区切る型は、範囲が明確ですが、事業の商圏と合っているか確認が必要です。店舗からの距離で区切る型は、店舗型の事業に合います。インターネット上で顧客を集める事業では、地域よりも、「譲渡した事業の顧客」「譲渡した事業で提供していた商品やサービスと同じもの」を基準にした方が、実態に合うことがあります。どの型を選ぶ場合でも、別紙に地図や一覧を付けて、対象を目で確認できるようにしておくと、後の食い違いが減ります。
期間については、「顧客との関係が続く平均的な期間」「従業員が育つまでの期間」「売主が新たに営業基盤を作れるまでの期間」といった、事業の実情から説明できる長さを選びます。数字だけが先に決まり、理由が説明できない定めは、争いになったときに弱くなります。契約書の前文や条項の中に、競業を制約する目的(譲渡した事業の価値を守ること)を一言書いておくのも、解釈の助けになります。
書き方の例(一般的な例) 競業避止の書き方
範囲の特定
理由「同種」「一切」では範囲が不明確で、有効性にも疑義が生じる。期間・地域・業務を、別紙などで特定する。
除外の明記
理由合理的な除外を書くと、条項の有効性の説得力が増し、売主の納得も得やすい。
違反の効果
理由違反の効果を書き、通知の義務を置くことで、実行可能な条項になる。
顧客・従業員の引抜きの禁止と営業秘密
競業避止は、「同じ事業を自分で始めない」という約束ですが、事業の価値を守るには、それだけでは足りません。売主が別の形で、譲渡した事業の顧客や従業員を取り込むことを防ぐ約束も必要です。ここでは、二つの書き方を区別します。
- 顧客への勧誘の禁止:譲渡した事業の顧客に対し、同種の商品やサービスを勧誘したり、取引を移すよう働きかけたりすることを禁じます。顧客を「譲渡の日の前の一定期間に取引があった者」などで特定すると、範囲が明確になります。
- 従業員への勧誘の禁止:譲渡した事業の従業員を、引き抜いたり、自らの事業に勧誘したりすることを禁じます。従業員が自ら応募して転職する自由は妨げないよう、勧誘と応募を区別して書くことが多くあります。
- 取引先への働きかけの禁止:仕入先や外注先に、譲渡した事業との取引を縮小させる働きかけを禁じます。
営業秘密の扱いも、競業と切り離せません。売主は、事業を営む中で、顧客リスト、仕入れ条件、製造や提供の手順といった、事業の価値の源泉となる情報を持っています。不正競争防止法2条6項は、営業秘密を「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」と定義し、同条1項は、営業秘密を不正の利益を得る目的などで使用・開示する行為などを、不正競争の類型として定めています。不正競争によって営業上の利益を侵害されるおそれがある者は、侵害の停止または予防を請求できます(同法3条1項)。
法律にこうした定めがあっても、契約で次のことを書いておくと、実効性が高まります。譲渡の対象となる営業秘密の範囲(顧客情報、仕入れ先の情報、手順書など)、売主が譲渡後はその情報を使わず、開示しないこと、売主が手元に残した情報の返還または廃棄の方法と期限、です。これらは、秘密保持の条項と競業避止の条項の両方に関わりますので、重複や食い違いが出ないように整理します。
引継ぎ協力:期間・内容・報酬・完了の基準を決める
競業避止の裏側にあるのが、売主による引継ぎ協力です。事業の価値は、設備や契約だけでなく、売主が持っているノウハウ、顧客との関係、従業員との関係にも宿っています。これを買主に引き継ぐため、売主が一定期間、顧問や相談役として関与する、あるいは業務を一緒に行う、という約束がよく置かれます。
引継ぎ協力の条項は、抽象的な書き方になりやすい条項です。「誠実に引継ぎに協力する」とだけ書くと、どの程度の関与をすれば足りるのかが不明確で、形式的に顔を出しただけで引継ぎが終わったと売主が主張する余地が生まれます。そこで、次の事項を具体的に決めます。
引継ぎ協力の条項で決める事項
| 事項 | 決めること | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 期間 | いつからいつまで関与するか | クロージング日から○か月。延長の条件も書く |
| 内容 | 何をするのか | 取引先・顧客への紹介、業務手順の説明、帳簿や書類の引渡しの説明、従業員への指導など、項目を挙げる |
| 時間・方法 | 何日、何時間、どこで、どの方法で | 週に○日、1日○時間、または必要に応じて。対面とオンラインの別 |
| 報酬 | 無償か、有償か | 譲渡代金に含むのか、別の報酬を払うのか。別の報酬のときは額と支払時期 |
| 完了の基準 | どうなれば引継ぎが終わったとするか | 主要な取引先への紹介の完了、手順書の引渡し、特定の業務を買主が単独で行えるようになった時点、など |
| 義務違反の効果 | 協力しなかったときはどうなるか | 催告のうえ、代金の一部の留保の取り崩し、または損害賠償 |
引継ぎ協力を長く続けるときは、その関わり方が、譲渡契約の一部なのか、別の業務委託や顧問の契約なのかを整理しておきます。譲渡契約の中に書くなら、期間や報酬の定めを簡潔にし、長く続くなら別の契約にして、契約同士の優先関係を決めておくのが、混乱を避ける整え方です。
売主が引継ぎの期間中に、買主の従業員や顧問として残るのであれば、その間の地位の整理も必要です。売主が事業の運営に関与する期間は、買主の指揮のもとで働くのか、独立した立場で助言するのか、報酬はいくらで、どのような責任を負うのか。引継ぎの期間が終わったあと、競業避止の期間が始まるのか、それとも譲渡の日から同時に進行するのか。これらを曖昧にしておくと、引継ぎ期間中の売主の行動が競業にあたるのか、あたらないのかが、判断できなくなります。
違反したときの効果と、起きがちなこと
競業避止の条項に違反したとき、買主はどのような手段をとれるのか。契約に書いていなければ、民法の一般的な請求(損害賠償、解除)に頼ることになります。損害の証明が難しい種類の違反ですから、契約で効果を書いておくことに意味があります。
書き方の例競業避止の違反の効果(一般的な例)
- 売主が前条に違反したときは、買主は、売主に対し、当該違反行為の差止めを請求することができる。
- 売主が前条に違反したときは、売主は、買主が被った損害を賠償する。買主が損害の額を立証することが困難な場合に備え、売主は、違反行為の期間1か月につき、金○円を違約金として買主に支払う。
- 前項の違約金は、賠償額の予定とする。ただし、買主が前項の額を超える損害の賠償を請求することを妨げない。
- 買主は、売主が前条に違反したときは、本契約に基づく未払の代金または留保した代金と、売主に対する損害賠償の請求権とを、対当額で相殺することができる。
違約金は、民法420条により、賠償額の予定と推定されます。第3項のただし書きを付けるか外すか(予定した額を超える損害を請求できるか)を、あらかじめ決めておくと、違反が起きたときの争いを減らせます。違約金の額は、過大にならないよう、取引ごとに協議して決めます。
署名前に確認したいこと(競業避止と引継ぎ)
- 会社法21条・商法16条の既定を、そのまま使うのか、変更するのかが書かれている。
- 期間・地域・業務範囲の三点が、譲渡した事業の価値に見合う範囲に絞られている。
- 株式譲渡の場合に、売主の代表者や関係者が義務を負う形(当事者に加える、連帯する)になっている。
- 顧客・従業員の引抜きの禁止が、対象と期間を特定して書かれている。
- 営業秘密の範囲と、返還・廃棄の方法が決まっている。
- 引継ぎ協力の期間・内容・報酬・完了の基準が具体的に書かれている。
- 違反したときの差止め、損害賠償、違約金、相殺などの効果が書かれている。
起きがちなこと
- 株式譲渡の契約に競業避止の条項がなく、売主が近くで別会社を作って同種の事業を始めた。
- 競業避止の期間・地域が事業の実態を大きく超えて広く、後から効力を争われる余地が生まれた。
- 競業避止の対象が売主の法人だけで、実際に事業を営んでいた個人が自由に同種の事業を始められる状態になっていた。
- 引継ぎ協力が「誠実に協力する」とだけ書かれ、売主が数回顔を出しただけで終了と主張した。
- 顧客の引抜きは禁じたが、従業員の引抜きの禁止が書かれておらず、主力の従業員が売主の新しい事業に移った。
- 違反の効果が書かれておらず、損害の証明に苦労して、差止めも違約金も使えなかった。
競業避止は、書けば強い契約になるというものではなく、必要な範囲に絞るほど、実行しやすく、争われにくくなります。補償と責任の整理は補償と責任の上限・請求期間で、将来の相手方の事業譲渡や支配権の変更を見据えた条項は将来のM&Aに備える条項で扱っています。
よくあるご質問
契約書に競業避止を書かなかった場合、売主は自由に同じ事業を始められますか。
事業譲渡の場合は、会社法21条(個人の商人なら商法16条)により、別段の意思表示がなければ、同一の市町村とこれに隣接する市町村の区域内で、譲渡の日から20年間は、同一の事業を行えません。ただし、株式譲渡にはこの既定がなく、契約に書かなければ、売主が別の会社で同種の事業を始めても、法律の既定では止められません。
競業避止の期間は、最長でどれくらいまで定められますか。
事業譲渡で、譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をする場合、その特約が効力を持つのは、事業を譲渡した日から30年の期間内に限られます(会社法21条2項)。ただし、30年まで定めれば有効というわけではなく、事業の性質や制約の範囲に見合わない長さは、民法90条の公序良俗の観点から、効力が認められないことがあります。
インターネットで営む事業の地域は、どう書けばよいですか。
市町村の区域で区切ると、実態に合いません。契約では、「日本国内」と広く書く方法のほか、譲渡した事業の顧客や、販売の対象としていた地域・言語・サービスの範囲で区切る方法があります。広く書くほど、売主の自由を制約する度合いが増しますので、事業の実際の営業範囲に見合う範囲にとどめるのが通常の整え方です。
売主の個人にも競業避止を負わせるには、どうすればよいですか。
個人を契約の当事者に加える、または競業避止の条項に限って連帯して義務を負う者として署名してもらうのが一般的です。売主が支配する会社や、親族の会社を通じた競業も対象に含めるかも、あわせて決めます。個人にとっては職業選択の自由に関わる約束ですので、範囲は必要な限度にとどめます。
引継ぎ協力に報酬は必要ですか。
必須ではありません。譲渡代金の中に引継ぎの対価が含まれているなら、無償の協力とする書き方もあります。期間が長い、関与の時間が多いなど、負担が大きい場合は、報酬の額と支払時期を別に定め、場合によっては別の契約にします。いずれにしても、期間・内容・完了の基準は具体的に書いておきます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、譲渡の対象、会社の形態、定款の定め、取引先との契約の内容によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や取引を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 中小企業庁 / 個人情報保護委員会 / 法務省